非職業的技師の覚え書き

JK1EJPの技術的検討事項を中心に記録を残します。

Teensy(2)開発環境の構築

PJRC社の下記 Tutorial ページに従って開発環境を構築したいと思います。

Teensy Loaderのインストール(スキップ!)

Teensy の MCU チップ(i.MX RT1064)に、USB 経由でプログラムを書き込むための PC 側の Loader をインストールします。主要 OS(MacUbuntuWindows)の Loader が準備されています。

USB 規格が無かった時代は専用のライタが必要で、チップをボードから外してライタに取り付けて書き込んでいました。プログラムの消去は紫外線でした。紫外線のエネルギーでメモリにトラップした電子を追い出していたのです。紫外線ランプの劣化管理が大変でした。と、昔を思い出すと便利な時代になったものです。個人が SDR を楽しむ環境は整ってきたと言えのではないでしょうか。

インストールページに飛ぶと、「Update: Teensy LC & 3.x are supported by Teensyduino. 」と書いてあります。どうやら、Atmel の MCU を搭載する Teensy 2.0 以前と、NXP の MCU を搭載する以後とでは Loader が異なるということのようです。Webページの Update がボードの開発とナンバーリングに追い付いていませんが、Teensy 4.x も同じと思われます。ということでスキップします。

Arduinoのインストール

Tutorial を順番に実行すれば良いという訳ではありません。重要な情報は後から出てくることがあります。Arduino インストールの後に、Teensy サポート機能を付加するTeensyduino をインストールするのですが、その Teensyduino インストールに下記の制限事項がありました。

  • Teensyduino 1.54 supports Arduino versions 1.8.5 and 1.8.9 and 1.8.12 and 1.8.13 and 1.8.14 and 1.8.15.
  • Future versions of Teensyduino will drop support for Arduino 1.8.14.
  • On Windows, the Arduino installer and ZIP are supported, but the Windows store "app" is not.

Arduino のバージョンは現時点最新の 1.8.15 とするのが良さそうです。Windows の場合、インストール方法の選択肢は3つありますが、 incompatible と言及のある Windows store "app" は選ばないで、installer か ZIP を選ぶ必要があるようです。セキュリティ強化を図る Windows 11 の動向を見るに、Windows store "app" はセキュリティ管理の仕組みが厳しく(それは良いことですが)、後付けで Teensyduino をインストールできないのではないかと想像しています。非職業的技師は既に Windows store "app" の Arduino をインストール済みでしたので、まず "app" 起源の Arduino のアンインストールが必要でした。

installer である arduino-1.8.15-windows.exe(現時点)をダウンロードして実行します。非職業的技師は個人的に、インストール先の指定にスペースの入った Windows 方言のディレクトリ名は避けるようにしています。最近は改善してきてはいますが、Linux 起源の開発用ソフトが Windows 方言をサポートしている保証がないからです。

Teensyduinoのインストール

Windows 用のインストーラは1つしかありませんので迷うことはありません。
TeensyduinoInstall.exe(現時点)をダウンロードして実行します。Explore 上のファイル名が長い間「未確認・・・」になっていました。Antivirus が入念にチェックしたのでしょうか? 

インストール中に、USB serial driver を見つけた旨の表示が出ます。その後に、上記 Arduino のインストールディレクトリを指示すればインストール可能になります。

 Tutorial ページに戻ると、「Windows Serial Installerを実行せよ」とありますが、先の表示と矛盾する気がするため、とりあえずペンディングとします。Windows 10 は driver のハンドリングが進化していると思うのです。

Start Arduino & Choose The Board

Arduino 起動後に、無事に Teensy 4.1 を選択できました。最初の例題である LED Blink Example を試します。

LED Blink Example は、 Tutorial ページの指示する場所とは異なり、下記の File -> Examples -> Teensy -> Tutorial1 -> Blink にありました。

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Blink の場所
Edit pin number

コードのコメントには Teensy 3.x までの LED のピン番号が書いてあり、ボード選択に合わせてコードを修正する指示があります。Teensy 4.1 のピン番号のコメントへの記入は間に合っていないようです。回路図およびピンアサイン図でダブルチェックすると、13ピンであることが分かりました。Teensy 3.x と互換性を確保しているようです。

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Teensy 4.1 の LED のピン番号 = 13
Compile and Download

コンパイル後に、最初にインストールをスキップした Loader が自動的に起動しました。スキップで正解でした。

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Loader の起動

Teensy Board を PC に USB 接続すると、即座に LED が1秒間隔で点滅を始めます。出荷時に、テスト用の Blink プログラムが MCU に書き込んであるからです。

そこで、点滅周期を書き換えてテストを繰り返しました。Arduino の Upload アイコン(⇒)をクリックすると、USB コネクタ近傍にある赤色の別の LED が一瞬点灯して書き込みが終了します。その後に、MCU チップ横のオレンジ色の LED の点滅周期が設定したとおりに変わりました。

Coding -> Compile -> Load -> Start の Debug サイクルを簡単高速に回せそうなことを確認できました。

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Blink 確認