DXCC CW 100に向けた状況
IS0GQX(サルデーニャ島)カウントアップ
サイクル25の下り坂と夏枯れにより、室内LW x 10WでのDX交信は難しくなりました。そんな折、IS0GQX(サルデーニャ島)とCWで交信でき、久し振りにDXCC CW 100に向けてカウントアップすることができました。経緯は以下の通りです。

夏枯れにより、夕方にEUが室内LWに聞こえる機会は無くなりました。代わりに、夜間から深夜にかけて、EU他がFT8で見える機会が増えました。
その日も夜間から深夜にかけて、中央アジア、中東、地中海(シチリア島、サルデーニャ島)と西に向けて順番に15/17m FT8で開けて行きました。

しかし、夜間の電離層は不安定です。イオノグラムを見ると隙間が多くあります。イオノグラムを電離層の静的な状態として見誤ると、特定の周波数を通過させるバンドパスフィルタのような振る舞いをしているように見えてしまいますが、上空プラズマの電離と再結合の物理化学過程にそのような振る舞いの理由を見つけることは困難です。イオノゾンデ観測では、周波数を掃引させながら上空に送信し、反射波を受信してイオノグラムを描いているとのこと。つまり、掃引間隔は不明ながら各周波数の測定は同時ではないため、電離と再結合のバラスが再結合有利に働いたタイミングや、温度膨張等で電離密度が薄くなったタイミングで送信した周波数に対しては反射波が弱くなります。イオノグラムの隙間は電離層の不安定さ(QSB)を表していると解釈するのが良さそうです。
不安定な電離層反射で交信を成立させるためには、送信パワーやアンテナ利得が必要です。FT8で良く見えていても室内LW x 10Wでは、ATNO各局からリターンが返ってくることはありませんでした。
深夜を回ったためFT8交信をあきらめてRigの電源を落とすことにしましたが、念のため17m CWもワッチしました。すると、QSB下ながら56-59で強い信号が聞こえてきました。コールサインは最初にDitが連なるIS0GQX(サルデーニャ島)でした。サルデーニャ島はコンテストでも届かずATNOです。誰もコールしていない様子だったため、届かないだろうな・・・と思いながらも1コールしました。すると、「1 1 1 1」とリターンがありました。エリアナンバーは取ってもらえたようです。今度は2回再送しました。すると、「JK1EJP JK1EJP OK?」と確実には取れない様子ですが、正しいコールサインの確認リターンがありました。「QSL OK OK」と返送して「319」のレポートを頂きました。先方はQRZ.comで確認した私の名前も打ってくれましたが、QSBが強いということで早々に「73」を交換して終了となりました。
LoTWシステムの保守休止が挟まり少し気をもみましたが、eQSL(上記)とLoTWでコンファームすることができました。サイクル25の下り坂で、CWに対するFT8の有利さを感じていた今日この頃ですが、QSBに強いCWの有効性を改めて感じることができた思い出深い交信になりました。
交信後にWeb検索すると、IS0GQX局はLive Streamをアップしていることが分かりました。ここからQSY履歴を追いかけることができます。20m FT8/CW、17m CW、15m CWでQRVし、最後に17m CWに戻って来てくれたタイミングで交信できたようです。私との交信の後は17m SSBにQSYされたようです。17m CWに戻って来てくれていなかったら交信はできていなかった訳であり、まさに一期一会の交信でした。

Live Streamの地図を見ると、双方共にグレーライン上の交信ではなかったようです。サルデーニャ島との距離はニュージーランドと同じぐらいですが、太平洋ではなくユーラシア大陸反射のパスになります。どのような伝搬パスであったのかをもう少し深掘りしたいところですが、次回サイクル26に向けて深掘りの時間はたっぷりありそうです・・・。
また、IS0GQX局は個人のホームページにLogを公開されていることが分かりました。ここから、室内LW x 10Wの真の実力の一端を知ることができます。各局は559~599のレポートをもらっていますが、当局へのレポートだけ319です。それでも交信できたことはJARLが掲げる「あたりまえ」を超えた経験であったと一人悦に入る次第です。ノイズすれすれの319の信号を拾い上げてくれたIS0GQX局に感謝致します。

DXCCの棚卸
LoTW上のDXCC CWは、ATNO解消のIS0GQX(サルデーニャ島)を加えても100に到達していません。カード分を加えた達成状況を明らかにするために棚卸を行いました。

前回、LoTW上のMixed 100にてDXCCを申請しました。それ以来、Mixed 27、CW 17、Digital 39の増分を得て、Mixed 127、CW 95、Digital 101になりました。
DigitalはDXCC 100を達成していました。過ぎ去るサイクル25の間にできるだけ実績を積もうと、最近はATNO以外もコールしている成果です。ただし、Mixedとの差は26残っているため、CW交信実績をカバーするのはDigitalでも難しそうです。DXpeditionはDigitalの方が優勢のため、CWコンテストの実績で差が生じていると思います。
CWはDXCC 100まで残り5エンティティとなりました。カード分を加えた状況(幾つ足りないか)を調べるのが今回の棚卸の課題です。

調べたところカード分が8エンティティ(上右表)ありました。LoTWの前回申請分78および今回増分17(上左表)と合わせて、合計103エンティティです。カードチェックにパスすることが前提ですが、いつの間にかDXCC CW 100を達成していました。
LoTW増分(上左表)は、主にDXpedition局およびコンテスト局との交信で増えたものです。DXpedition局は多くの場合、OQRSによるカードリクエストと同時にLoTWにもアップしてくれます。一方、コンテスト局は一般にカードを発行しませんが、多くの局はLoTWにはアップしてくれます。多くのコンテスト局はDXCCには興味がないと思いますが、私を含めて上位入賞を狙えない呼ぶ側はコンテストの場を利用してDXCCを集めていることがあるため、LoTWにログをアップする関係ができているようです。
一方、カード分(上右表)は、主に一般交信の後にSASEでカードをリクエストした分になります。一般局は先方もカードを集めている例が多いのではないかと思います。
さて、カードチェックを何時にするか・・・。チェックのポイントを対面で聞きたい気持ちもあります。8月下旬のハムフェアに行くか、あるいは南大塚のJARL事務局に金曜日に休みを取って出向くか・・・。
新着QSLカード
HD8G(ガラパゴス諸島)
HD8Gとは、2025年4月下旬のDXpedition最終日近くに駆け込みで何とか17m FT8/FT4で交信できました。
2つ折りタイプのQSLカードでした。ロゴマークはウミガメのように見えましたが、カードの写真はガラパゴス諸島の名前の由来になったガラパゴスゾウガメでした。もちろんウミガメも生息しているようですが、独立種としてはゾウガメの方が有名です。ガラパゴス諸島のピンタ島で発見されたピンタゾウガメの最後の個体としてニュースになったロンサム・ジョージが思い出されます。
VP2VI(英領バージン諸島)
同じくVP2VIとも、2025年4月下旬のDXpedition最終日近くに駆け込みで何とか17m FT8で交信できました。
カードの図案は、スパイダービームアンテナと遠浅の海を背景にした4人のドイツチームの写真でした。QTHから推測すると、沖の彼方には北米大陸があるはずです。
V73WW(マーシャル諸島)
V73WWとは14のバンド×モードで交信できました。室内LW × 10Wによる新記録です。

2つ折りタイプのQSLカードでした。表裏全面を使って、円環を描くマジュロ環礁の空撮写真が配置されており、QTHの雰囲気を知ることができます。見開きページには、3枚のログシールが貼ってありました。これも新記録です。
V73WW – Marshall Islands DXpedition 2025: Activity Report(活動報告書)がPDF15ページで発行されました。
このような活動報告書を発行してくれると、一瞬の交信後日も楽しむことができます。天候は悪くなく、現地のノイズレベルも低かった模様です。若手Opの皆さんがDXpeditionを楽しんでいる様子が伝わってきます。室内LW × 10Wによるバンド×モード数の新記録達成の裏に潜む要因の一つを垣間見ることができました。
活動報告書で興味深い統計は「Density of stations worked by locator」です。おそらく、FT8/FT4のグリッドロケータに基づいて世界地図に交信密度をマップしているものと思います。交信数はEUが一番ですが、密度で赤色が付いているのは日本の関東付近だけであり世界で突出しています。
VK9CU(ココス諸島)
VK9CUとは4つのバンド×モードで交信できました。
カードの図案は、ココス諸島の名前の由来になったココ椰子の木が背高く群生する海岸線の写真とチームメンバの嵌め込み写真でした。
VK9XU(クリスマス島)とVK9CU(ココス諸島)の連続DXpeditionでしたが、前者のVK9XUのコンファームが遅れてやきもきしていました。VK9XUのQSLカードもVK9CUと同時にCQ誌に紹介されたため、問い合わせが必要かと考えていたところ、CQ誌掲載を契機とした訳ではないと思いますが、タイミング良くLoTWでコンファームされました。カードも近々に届くものと思います。
VK9XUのペディション初日にCWロギングソフトウェアの設定をVK9CUと間違えていた模様で、ログの整理が混乱していたことがコンファーム遅延の原因ではないかと推測しています。
VU4AX(アンダマン・ニコバル諸島)
VU4AXとは3バンドのDigitalモードで交信できました。CWはコールバックへの返信がQSBに沈んでしまい、NILになったのが残念です。

2つ折りタイプのQSLカードでした。夕日を背にしたVDAアンテナの写真と4枚のスナップ写真が配置された図案でした。ロゴは象でしたが、像の写真は含まれていませんでした。
AIにお伺いを立てたところ、「アンダマン・ニコバル諸島には象は生息していません」とのこと。しかし、エレファントスイムがダイビング観光の宣伝として検索されます。どうやら、木材運搬の労働に使役するために連れてこられた像がいたらしいのですが、今は海辺で余生を送るばかりのようです。
上写真の上段に示す「VU4AX book」の紹介チラシが同封されていました。A4版フルカラー52ページの写真集兼活動報告書のようです。
3B9DJ(ロドリゲス島)
3B9DJとは4バンドのFT8で交信できました。CWで交信できなかったのが残念です。

カードの図案は、遠浅の海辺に浮かぶ小舟と高度の低い雲の写真でした。
BV1EL(台湾)
2023年12月交信のQSLカードをビューロ経由で頂きました。

図案は、カラフルな集合住宅が並ぶ港もしくは河岸の写真でした。QTHの宜蘭市をGoogle マップで調べると、市内に河川や運河は通っていますが、河岸に建物が並ぶ場所は特定できませんでした。
宜蘭市に海はありませんが、少し郊外に行けば港があります。その南方澳魚港は観光スポットにもなっており、この近辺で撮影された写真ではないかと推察されます。
南方澳魚港を出航して東に進めば、与那国島があります。
IARUコンテストHQ局
もうすぐ(7/12~13)、IARU HFワールドチャンピオンシップコンテストが開催されますが、その直前にビューロからHQ局のQSLカードが届きました。

上段のドイツHQ局のQSLカードは2年前の2023年コンテスト交信分です。下段の日本HQ局のQSLカードは1年前の2024年コンテスト交信分です。国内の配送リードタイムは約1年、海外は先方のリードタイムも加算されるということかと思います。
ビューロからの封筒はタイムカプセルのように感じられます。身の回りの環境が固定した年寄りはそういう楽しみ方ができますが、1年毎に環境が変わる若者はタイムカプセルを待つ余裕はないかもしれませんね。