非職業的技師の覚え書き

JK1EJPの技術的検討事項を中心に記録を残します。

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(13)

WWA 2024

概要

正月のQSOパーティに参加している時に、HF High Bandでインドネシアの特別記念局8A0RARIがCQを出していることに気付きました。QRZ.comから辿って調べたところ、WWA(World Wide Award) 2024という名称のDXアワードプログラムがHamAward上で開催されていることを知りました。

ルールを確認したところ、「Marconi生誕150周年」の記念アワードということでした。

1. Purpose
Promote friendship between amateur radio, and celebrating the 150th anniversary of the Marconi birth in 2024, involving as many country as possible in a single event.

8A0RARI - Callsign Lookup by QRZ Ham Radio

CW(10点)、SSB(5点)、DIGI(2点)のモード別配点で特別記念局と交信し、100点を得ればアワードを獲得できます。交信の難易度はSSB>CW>DIGIの順番と思いますが、無線電信機を実用化したMarconiの生誕を記念していることからCWの配点が最も多くなっているようです。CWモードであれば10局バンドと交信できればアワードを獲得できます。

ヨーロッパ中心のアワードプログラムの場合、室内LW×10Wによる10局バンドの達成は困難です。しかし、今回はWorld Wideということで、JA近隣の特別記念局としてインドネシアの8A0RARIに加えて、中国から10局が参加していました。5つのHF High Bandで合計すると、JA近隣の11の特別記念局と55回の交信機会が期待できます。中国(の内陸部)との交信は決して容易ではありませんが、チャンスはあると考え積極的に参加しました。DXのオフシーズンですが、1月の1か月間に渡って楽しむことができました。

結果

合計30局バンドのCW交信により300点を獲得し、WWA 2024アワードをハントすることが出来ました。条件の100点は1月の第一週に達成し、その後1月末までに300点まで伸ばすことが出来ました。長丁場にも係わらず特別記念局がアクティブにQRVしてくれたおかげです。

「ALL Bands CW」の順位は2819 / 32972位(上位8.5%)でした。手前味噌ですが、上位1割に入るとはなかなか良い順位です。単独バンドでのアワード獲得はありませんでした。6つのバンドを行ったり来たりしてDX局と交信することができた室内LWアンテナの成果です。心の中の特記は「室内LW × 10W」です。

CWの交信実績しかありませんが、SSBとDIGIを入れた「ALL Bands Mixed」の順位は5164 / 110385位(上位4.7%)でした。こちらの方が相対順位は高くなりました。SSBおよびDIGIによって間口が広がったのに対して、DIGIの追い上げは少なかったようです。やはり、CW重視の配点が効いているのでしょうか。

交信できた特別記念局バンドの内訳を下記に示します。HF High Bandをフル活用した成果であることが分かります。序盤は15mバンドが中心でしたが、長丁場の中で10mバンドに加えて室内LWが苦手とする20mバンドまで広げることができました。40mバンドの交信も終盤に1つ(BY5EA)だけできました。

予想通りに冬のEUは厳しかったのですが、Marconi生誕国のイタリアII5WWA(Toscana州)と交信できたのは本アワードの趣旨からして白眉でした。

NAは比較的容易では・・・と高を括っていたのですが予想外に難しく、終盤にN1W(NH)と何とか交信して溜飲を下げました。NH(New Hampshire)州は東海岸のボストン近郊です。他のNA局の所在地も、N0W(MN州)、N2W(Virgin 諸島)、N9W(WI州)となり、西海岸が1局も入っていないことが交信を難しくした原因と推測しています。

統計

特別記念局のQRZ.comページから統計情報を参照できます。

Top Countries

1位はMarconi生誕国のイタリアでした。本アワードの趣旨から言って順当な結果です。2位ドイツ、3位北米に続いて4位はポーランドでした。少し意外な気がしました。5位ヨーロッパロシア、6位が日本でした。ハム人口が減少中とは言え、まだまだ存在感があります。7位インドネシア、8位中国です。特別記念局を10局も擁している中国ですから、もっと上位に行くと思っていましたが、ハム人口はまだまだ少ないのでしょうか。9位イングランド、10位スペインとEU勢が続きます。

Bands・Modes

40mおよび20mバンドの参加者がHigh Bandsより多かったようです。やはり、北半球は冬ということでHigh Bandsのコンディションが良くなかったということの反映でしょうか。モードはFT8とFT4(とRTTYとPSK)を合わせるとDigiが一位になります。CWの参加者が最も少なかったため、CWへの高配点が順位を左右したと思われます。

Activators

各特別記念局の交信数です。〇印は交信できた特別記念局です。

室内LWに聞こえていた中国の特別記念局のアクティビティは高いと思ったのですが、EUの特別記念局のアクティビティはそれ以上に高かったようです。室内LWに聞こえなかっただけのようです。EUの比較的狭い範囲にハム人口が多いことの裏返しかと思います。

室内LWに最初に聞こえてきたインドネシアの特別記念局8A0RARIが1位でした。Opは106人が参加したようです。思い起こせば、8A0RARIのCQは毎日聞こえていましたが、打鍵速度は毎日変化していました。

特別記念局のロケーション分析

普段のコンテストでも、中国の局との交信は容易ではありません。特に内陸部の局に対しては最後のホップが地表反射となり、10Wの微弱電波が霧散してしまうのではないかと推測しています。基礎馬力の不足です。それでも、WWA 2024では競合局のいない時に丁寧に拾ってもらった感があります。

良い機会ですので、特別局のロケーションを分析してみました。

BY1RX

QRZ.com掲載の住所Chaoyang Districtを検索すると、北京市朝陽区と出てきます。

15mバンドを皮切りに3つのバンドで交信できました。やや難しかったように思います。電波が海上で反射するか、あるいは日本国内、朝鮮半島、中国国内の地上で反射するかは、シミュレーションをしてみないと詳細不明です。

BY2AA

QRZ.com掲載の住所Harbin, Heilongjiangを検索すると、中国の最北端にある黒龍江省省都ハルビン市と出てきます。

15mと17mの2つのバンドで交信できました。距離的には近いのですが、内陸部のため地上反射で電波は減衰していると思われます。

BA3RA

QRZ.com掲載の住所Shijiazhuang City, HEを検索すると、河北省の省都石家荘市と出てきます。

15mバンドでのみ交信できました。BY1RX(北京)と近いように見えます。同じように、電波が海上で反射するか、あるいは日本国内、朝鮮半島、中国国内の地上で反射するかは、シミュレーションをしてみないと詳細不明です。

BY4DX

QRZ.com掲載の住所はBureauの住所になっています。SHANGHAI DX CLUBのコンテスト局ですので、グリッド地図に示される上海がQTHと思います。

最初に交信できた中国のWWA特別局です。5つのHF High Band(10/12/15/17/20m)の全てで交信できました。

瀬戸内海を上手く抜けて、九州を飛び越えれば、海面反射のみで交信できそうな位置関係です。加えて、コンテスト局ですので素晴らしいアンテナを使っているようです。

BY5EA

QRZ.com掲載の住所は浙江省嘉興市海塩県になるようです。日本とは異なり、市の中に県が位置するようです。海塩県は紀元前222年に秦が設置したとのことですので、古の行政区ですね。

WARCバンドを除いた40m以下の4バンド(10m/15m/20m/40m)で交信できました。海塩県は上海近郊の河口の行政区になります。BY4DXと同様に海面反射だけで交信できそうです。

WARCバンドで交信できなかった理由は、コンテスト局ということで、WARCバンドのアンテナがそもそも上がっていないためのようです。

WWA特別局の中で唯一40mバンドで交信できました。WWAプログラムが終了に近づいた1月下旬の午前に20mバンドで交信し、その日の深夜に40mバンドで交信できました。1回のコールで正確にコールバックがあったため少々驚きましたが、その後の「599 TU」は4回送る必要がありました。やはり、室内LW×10Wでは弱い電波しか届いていなかったようです。OPの方が同じで午前のコールを覚えていてくれたのか、あるいはロガーが履歴DBを参照して候補リストの上位に提示してくれたのか・・・コンテスト局ということで後者の方があり得そうです。

BY6QS

QRZ.com掲載の住所WUHAN HUBEIは、湖北省武漢市になるようです。

周波数が高い側の3つのHF High Band(10m/12m/15m)で交信できました。内陸部のため地表反射の影響がありそうですが、交信できていました。

BA7LOK

QRZ.com掲載の住所FOSHAN, GUANGDONGは広東省仏山市になるようです。

香港に近く、過去にはコンテストで4回交信した実績がありますが、今回は聞こえてきませんでした。前記の特別記念局別の交信数から見ても、アクティビティが低かったようです。

BY8DX

QRZ.com掲載の住所Chengdu Sichuanは、四川省成都市になるようです。グリッドマップでは北京にマークが打たれますが、成都市は重慶市の左上付近のはずです。

12mバンドを除いた4つのHF High Band(10m/15m/17m/20m)で交信できました。内陸部のため地表反射の影響がありそうですが交信できていました。地表反射で減衰するために内陸部の局との交信は困難・・・との仮説は怪しくなりました。

BY9NX

QRZ.com掲載の住所Yin Chuanは、寧夏回族自治区銀川市になるようです。

入感せず、交信できませんでした。内陸部に位置し、距離的には上記BY8DXに近いようですが、降水量が非常に少ない高原の乾燥地帯に位置するようです。電波の反射に地表の水分量が影響する・・・とは考え過ぎでしょうか。銀川市から北に上がったモンゴルも室内LW×10Wでは交信の難しいエンティティです。前記の特別記念局別の交信数から見てアクティビティも低かったようです。

BG0DXC

QRZ.com掲載の住所Urumqiは、新疆ウイグル自治区ウルムチ市です。

入感せず、交信できませんでした。前記の特別記念局別の交信数から見てアクティビティも低かったようです。もしかしたら、短期間の遠征局だったのかもしれません。

中国のWWA特別記念局の中で最も遠方に位置する局になります。モンゴルより遠方の乾燥地帯です。「世界で最も海から遠い都市」(ギネス記録)とのこと。ただし、さらに日本から遠方の中央アジアWWA特別記念局EX0DX(キルギス)は一瞬ですが室内LWに入感しました。ウルムチとは乾燥地帯ではない点が相違点です。

 

特別記念局のロケーションを分析してみると、意外に内陸部の特別記念局とも交信できていました。「内陸部の乾燥地帯の局との交信は難しい」に仮説を変更します。真偽は不明です。単純にアクティビティに依存しているだけかもしれません。

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(12)

日乗

QSOパーティ

昨年2023年のQSOパーティは、都市ノイズの多い40mシングルバンドのCWモードで参加したため、20局に届きませんでした。(HF High Band全域に渡る薄いノイズの源は蛍光灯であることが判明しましたが、40mバンドの濃いノイズの源はまだ不明です。冬季の早朝は発生しなこと、およびノイズ帯域がバンド内を緩慢に移動することから、エレベータや機械式駐車場を疑っています。)

一方、今年は40m以上のHFオールバンド+6mバンドのCWモードで参加したため、初日に20局を達成できました。後は室内LWアンテナ評価の一環としてバンドスロットを埋めることに励みました。

結果、80mバンドを除いて室内LWアンテナがカバーする残りの8バンド全てで交信することができました。HFハイバンドのスロットを埋めることが出来たのは、POTA/SOTA移動局のおかげです。局数は30m(10MHz)バンドで伸ばすことができました。しかし、最近、30mバンドでも都市ノイズが観測されることが気になる点です。

QSLカード

電子QSL(LoTW、eQSL、hQSL)優先のポリシーとしていますが、電子QSL交換可能な局の比率は体感で半分弱ぐらいでしょうか・・・。紙QSLカードをちょうど年末に使い切ってしまったため、新しい図案で発注しました。国内用とSASE海外用の図案を分けました。国内用はQTHローカルの写真、海外用はステレオタイプですが日本を代表する国宝絵巻(今年の大河ドラマ関連)の図案としました。

先日、eQSLを交換したアルゼンチンの局から「e-qsl にある日本画のアートワークがとても気に入りました。」とのイイネコメントがメールで届きました。こういった感想が寄せられると嬉しいものです。それもあって、海外用の図案は日本のオリジナリティが感じられる国宝絵巻にしました。

ところで、アルゼンチンの局から届いたメールは日本語とアルファベットの文章が併記されていました。スペイン語の文章を翻訳ソフトで日本語に訳したのかと最初は思ったのですが、よく読むと仮名漢字日本語文章とローマ字日本語文章の併記でした。日本語の書き言葉(仮名漢字文章)を勉強する前に発声言葉(ローマ字文章)から勉強されているのかな?と推測しています。返信をローマ字で書くか、仮名漢字で書くか、悩んでいます。英語とそこから翻訳したスペイン語にすべきか・・・。

Pedition局のQSLカード着荷開始

正月が明けると、昨年秋に交信したPedition局のQSLカードが届き始めました。

T2C(Tuvalu)

2023/10/25にOQRリクエストを出し、2024/01/09に着荷しました。

表面には現地のモデルの方でしょうか・・・、加えて現地の風景や運用の様子を写したスナップ写真が配置されています。裏面にはメンバーの集合写真、スポンサー関連のロゴが配置され、交信証明書シールが貼付されています。

15mバンドが痛恨のDupeになっています。コールサインの聴き間違いに後から気付いたためです。ワッチが重要との教訓となりました。

YJ0TT(Vanuatu)

2023/11/03にOQRリクエストを出し、2024/01/09に着荷しました。二つ折りタイプのQSLカードでした。上部に写り込んだBegaliのパドルは折り目を抑える文鎮の代わりです。

表面はメンバーの集合写真、裏面はSpiderbeamアンテナの写真です。見開きの左は各メンバーの運用風景の写真、寄付をした方への謝辞、スポンサーのロゴが配置されています。右には交信証明書シールが貼付され、チームの紹介が記されています。メンバー毎にコールサインが異なるように見えますが、YJ0TTチームとなっているため、最終的に1つのコールサインで運用したのではないかと推測しています。

3B8M(Mauritius)

前回報告した3B8M(Mauritius)のQSLカードです。2023/12/02にOQRリクエストを出し、2024/01/10に着荷しました。既にLoTWにてコンファームできていたのですが、室内LWアンテナ×10Wにとってアフリカは最難関の大陸となるため、記念にQSLカードが欲しくなった次第です。

表面は前回報告したMauritiusを代表する?特徴のある岩山の写真と20mおよび10mのアンテナの写真です。コンテスト名に付記された西暦は2021でした。初回の遠征時に刷ったQSLカードが余っているようです。OQRSの有無に係わらずコンテスト後即座にLoTWにアップしてくれるため、QSLカードのニーズが少なかったのかもしれません。

裏面は(2021年の)メンバー集合写真、設備の紹介、交信証明シールの貼付です。交信証明の日付は間違いなく2023年となっており問題ありません。

WAG UBNレポート

昨年10月下旬に開催されたWAG(Worked All Germany)コンテストのUBNレポートが届きました。WAGはドイツ対DXのコンテストです。

UBNレポートは提出ログの全数照合によって、Uniques(他のログに出現しない特異なコールサイン)、 Bad calls(コールサインもしくはコンテストナンバーの受信間違い)、 NILs(相手ログからの欠落)等を調べて、減点等の理由をレポートしてくれるものです。コンテスト中に正しく交信できていたか、正しくないとしたら何を間違えていたのかを振り返ることのできる貴重な情報源です。

例えば、1局としか交信できなかったためにログを提出しないと、自身がUniquesになってしまい、交信相手局にUniquesとして通告される可能性があるかもしれません。交信数に係わらずログの提出が求められる所以です。ただし、WAGではUniquesのリストアップに留め、Uniquesを減点の対象にはしていないようです。

EUとはパスが開けても、経験上、狙った特定の国(今回はドイツ)とのパスが開けるとは限りません。今回もドイツ各局からは室内LWに弱い信号しか入らず、コンテスト局を中心に5局と交信するのが精一杯でした。提出ログと最終スコアは下記の通りです。

提出ログ5交信に対して最終スコアも5交信を確保し、幸いなことにUBNはありませんでした。NILsも無かったため、お相手頂いた5局のポイントにも貢献できたかと思います(NILsではなく相手局ログのBad callsになっている可能性もありますが・・・)。EUからのQSBやエコーを伴うコピーバックは何時も空耳コピー気味になり、確信を持てずに終わることが多いのですが、室内LW×10Wの微弱信号を正しくコピーしてくれたことに感謝です。

Single operator, CW, low power部門の順位は336/339位でした。ドイツ周辺のEUの局とは競争になりませんので、参加することに意義ありの結果となりました。

CQWW-DX CW 2023コンテストの分析

漸く分析に着手しました。

Raw Score

ロガーで計算したスコアは36,340点でしたが、提出後のRawスコア(ログ相互照合前のスコア)は37,293点に増えていました。Dupeが2件あった(反省)ことが影響しているようです。ロガーはDupeを点数から差し引きますが、RawスコアはDupeのチェックもまだ未適用のようです。


全体の暫定順位は801/1441位で、上から56%の位置に付けていますが、Dupe減点でもう少し下がりそうです。AS大陸内の暫定順位は128/277位で、46%の位置に付けています。Dupe減点の影響は無さそうです。JA国内の暫定順位は91/195位で、47%の位置に付けています。こちらもDupe減点の影響は無さそうです。室内LWアンテナ×10Wの運用に対して、思いのほか良い暫定順位に付けることが出来たように思います。

コンテスト中のコンディションが良すぎた?ためかQRMが激しかったため、このRawスコアからUBN等の減点が差し引かれるものと思います。採点レポートを楽しみに待つことにします。

Multi

バンド(14MHz、21MHz、28MHz)別のDXCCマルチとZoneマルチを下記に示します。

14MHzバンドのマルチは全て他のバンドでも交信できています。21MHzバンドで獲得できたマルチが最も多くなりました。ただし、28MHzバンドのみで交信できたZoneマルチが4つ(6、13、16、18)ありました。Zone 6は北米の南部(XE:Mexico)、Zone 13は南米の南東部(CX:Uruguay)、Zone 16は東欧(UA)、Zone 18は中部シベリア(UA9 (H, O, U, Y, Z))です。

交信できたZoneを下記Mapにマーク(〇)します。赤のマークは28MHzバンドのみで交信できた上記の4つのZoneです。

やはり、普段交信できていないZoneを落としています。中央アジア、中東、アフリカ、南米西海岸といったところが室内LWアンテナ×10Wでは交信が難しいZoneです。中東以外は聞こえたことはあるため、2024年の課題です。

One-day WAC

One-day WACアワードの発行者は、本家のIARUではなく、JARL関西地方本部です。One-dayの定義は「0000~2400JST」となっています。ただし、「DX局はUTCでも可」となっていて、DX局はOne-dayのUTC定義を選択できるようです。クラッシックモードでOne-day WAC達成の機会が多いのはDXコンテントであるとすると、JA局もOne-dayのUTC定義を選択できるようになっていると良いのですが・・・、今回はUTC/JSTどちらのOne-day定義が吉と出たか検証します。

QSOレートグラフを下記に示します。朝方に交信数が伸びていることが分かります。UTCのOne-day定義は朝方の山を分断するのに対して、JSTのOne-day定義は山を孤立させます。両者の違いを分析しました。

陸別QSO数を時間別に集計した表を下記に示します。上部にUTC/JSTのOne-day定義を示しました。

室内LWアンテナ×10Wの宿命として、QSO数が少ない大陸は、一位がアフリカAF(2回)、二位が南米SA(7回)、三位が欧州EU(10回)でした。この3大陸がOne-day WACの達成成否を決めます。

唯一のAFは上記にQSLカードを紹介した3B8Mとの2バンドのQSOで、既にコンファームできています。二日に分割されるUTCのOne-day定義では2つのQSOが一日目と二日目に分散され、両日共にOne-day WAC達成の可能性が出てきます。一方、三日に分割されるJSTのOne-day定義では2つのQSOが二日目に集中し、この日しかOne-day WAC達成の目がありません。

UTC一日目のSAおよびEUQSO数は十分足りており、コンファームもできています。One-dayのUTC定義を選択できれば、祝One-day WAC達成です。

UTC二日目のSAおよびEUQSO数はそれぞれ1回だけです。SAはPV2(Brazil)とのQSOがコンファームできています。EUはOM7(Slovak Rep.)とのQSOのコンファームにSASE送付が必要で、未完です。OM7がコンファームできれば、二日連続の祝One-day WAC達成です。

JST二日目のSAのQSO数は十分足りており、コンファームもできています。EUQSO数は2回で、その中の1回は上記OM7(Slovak Rep.)です。残る1回はRL3(European Russia)とのQSOで、こちらもコンファームにSASE送付が必要で、未完です。

当初予想した通り、今回のDXコンテストでのOne-day WAC達成には、JSTよりもUTCのOne-day定義の方が有利であるとの分析結果になりました。JSTのOne-day定義によるOne-day WAC成就のために、既にDXエンティティとしてはコンファームできているOM7(Slovak Rep.)もしくはRL3(European Russia)にSASEを送付するかどうか逡巡しています。

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(11)

日乗

瑞祥新春

2024年元旦、北風が吹き快晴でした。今年も丹沢山塊の向こうに冠雪の富士山が良く見えていました。

今年の四文字熟語は瑞祥新春(ずいしょしんしゅん)にしました。「新春を迎え、良い兆しがありますように」という意味があるそうです。

ALL JA8コンテス参加記念品

昨年は内外のコンテストに精力的に参加して、室内LWアンテナ×10Wの性能評価を行いました。何れのコンテストにも呼び回り専門で参加し、入賞には遠く届きませんでした。

しかし、その中で21MHzシングルバンドで参加したALL JA8コンテストでは参加15局中3位につけることが出来ました。1位の局とは得点もマルチも倍異なりますが、2位の入賞局には肉薄していました。

惜しくも入賞は出来ませんでしたが、北海道8支部発足50周年の参加記念品としてトートバッグが抽選で当たりました。関係者のみなさまありがとうございました。

CQWW-DX CWコンテストでの3B8(Mauritius)との交信

遅筆に陥っていますが、昨年11月下旬のCQWW-DX CWコンテストの覚え書きを今年の再戦に向けて残します。

前回記したアフリカのS7(Seychelles)とコンテストで再び交信することはできませんでしたが、同じCQゾーン39の3B8(Mauritius)と交信することができました。その時の状況と後日の調査結果を書き残します。

20mバンドでの交信

コンテスト初日の夜、室内LWアンテナに入感する局はHigh Bandから順番に消えて行きました。そこで、室内LWアンテナの効率が良くない20mバンドに降りたところ、入感する局自体は少ないのですが、聞き慣れないコールサイン3B8MがQSBを伴いRST=319程度で入感してきました。調べると、アフリカ大陸東側のインド洋上のMauritiusであることが分かりました。

その時間帯は主にEUと交信している様子でしたが、時々JAも交信に成功しているようでした。そこで奇跡を願って果敢に呼んでみましたが、もちろん空振り。コンディションの上昇を期待して深夜までワッチを続けたところRST=419程度まで上昇してきましたが、このコンディションでは10Wで呼んでも空振りです。翌朝のコンデション上昇を願って就寝しました。

コンテスト二日目の翌朝、早起きをしてIC-705のスイッチを入れたところ、20mの同じ周波数で3B8MがRST=589で入感していました。JA各局が次々と交信していますが、パイルはそれほど大きくない様子(聞こえなかっただけかもしれません)。IC-705渾身の10Wでは、kWのビックガンのみならず100Wのベアフット局の信号にも埋もれてしまいます。しかし、周波数オフセットを上に下にずらして試行錯誤することと数回、遂にリターンがありました。昨夜から粘った末の交信であるため達成感もひとしおです。

南米とは既に初日に交信できていたため、このコンテストでのWAC達成を確信しました。問題はOne-Day WACが達成できているかどうか・・・。

15mバンドでの交信

同じコンテスト二日目の夜、15mバンドで室内LWアンテナに聞こえてくる局はJAもしくは近傍アジアのランニング局だけになりつつありましたが、チューニングノブを回してバンド内をスキャンしていると3B8Mが15mバンドでも聴こえてきました。早朝の20mバンドよりも信号が弱い感じでしたが、すかさずコールしたところ驚いたことに今度は1回でリターンがありました。

これが20mと15mの違いなのでしょうか・・・。20mよりも反射する電離層の高度が高い15mの方がホップ数は少ないため、10W出力信号の減衰が緩和されたためか。あるいは2日目ということもあり各局は既に交信してしまい、競合局がいなかったためか。

3B8M遠征局についての後日調査

後日、3B8Mのコンファームを成就するためにQRZ.comのページを調べていると、Facebookの遠征記録やYoutubeの講演録へのリンクが掲載されていることに気付きました。ちなみに、2バンド共にLoTWでコンファームできました。

ロケーション

Mauritiusに標高の高い山は無いとのことでしたが、Facebookの表紙には形状に特徴のある岩山の写真が掲載されています。しかし、この岩山の頂上から電波を出した訳ではないようです。

上記QRZ.comのHamGrid Mapsを拡大すると下記左の地図のように海上にピンが打たれています。これでは3B8M/MMになってしまいます。Gridデータの誤差かな?・・・と思って航空写真に切り換えると、砂州で陸地とつながった岩礁に設けられたコッテージを拠点にQRVしていることが分かりました。

砂州も海水を含むと思われるため、360度海面反射の恩恵に与かれそうな絶好のロケーションです。しかも、ポイント大票田のEU/NAとJAに向けては砂州もありません。

アンテナ

Team 3B8MのワッペンはVDA(Vertical Dipole Array)アンテナを持つドードーモーリシャス島にかつて生息していたが絶滅してしまった鳥)です。

前回記したS79/G4IRNと同じく、3B8MのアンテナもVDAが主力であることがワッペンから分かります。ゴルフバックやスキーケースに入れて手荷物とするためには、軽量なVDAアンテナが好適なためと思われます。
Facebookの写真集(https://www.facebook.com/3B8Mauritius/photos)、および2022年の遠征についてのYoutube講演録(RSGB 2022 Convention presentation - 3B8 and 3B9 Contest DXpeditions - YouTube)から使用したアンテナ等に関する多くの情報が得られました。

まず、写真集からアンテナ群の配置を示す写真を見つけました。2020年の写真?かと思いますが、2023年もこの配置を踏襲していると推定します。文字が小さくて読み難いため、大文字フォントで復唱しました。

VDAは指向性アンテナであるため、20mバンドと15mバンドについてはEU/NA方面向けとJA方面向けに個別のVDAアンテナが設営されています。

NAの日の出とEUの日没はMauritiusの日没と同じグレーライン上に並ぶようです。2021年のビーム方向別のQSO数データがYoutubeで紹介されています。

圧倒的にEU/NA方面が多く、90度方向違いのJA方面のQSOが少し混じっていたという感じです。JAとのQSOポイントのためにJA専用のVDAを上げている訳ではなく、アジアのマルチを得るために上げたVDAの恩恵をJAは得ることが出来るというのが真相のようです。

Team 3B8Mは事前にアンテナのシミュレーションを十全に行い、アンテナの選択と配置を導き出しているようです。Youtube講演の中で2セットのVDAのスタック方法の違いによる指向性の説明がありました。

単体のVDAは垂直ダイポールに対して+3dB強の利得があるとのこと(緑線)。

これに対して、2セットのVDAをBIP(Both in Phase)でスタックすると、波面が合成されるためか、さらに+3dBの利得が得られるとのこと(青線)。EU/NA方面は、単体のVDAもしくはBIPスタックで運用していたのではないでしょうか・・・。EU/NAと交信中の3B8MのVDAアンテナのサイドに信号を送り込むことは、10Wでは不可能と思われます。

一方、2セットのVDAをBOP(Both out of Phase)でスタックすると、少し利得を増した2方向への指向性が得られるようです(紫線)。カリブ海と東アジアのマルチを得るための両睨みの運用時にBOPスタックを使うとのこと。JAから10Wで交信する機会があるのは、3B8Mが単体のJA方面向けVDAもしくはBOPスタックを運用している時と思われます。

10mバンドについては、EU/NA方面向けと思われるVDAアンテナ1本と、無指向性の垂直ダイポールしかありません。JAからは無指向性の垂直ダイポールが頼りですが、20mバンドおよび15mバンドよりも交信が難しいことが予想されます。利得ダウンの他に全方面からのパイルを切り抜ける必要が生じます。実際、今回のコンテストでは10mバンドのワッチも十分に行いましたが、結果として3B8Mとは20mバンドおよび15mバンドでのみ交信できた実績が物語っています。

3B8Mは以上の技術と戦術を組み合わせてくることが分かりました。昨年のCQWW-DX CWコンテストでの3B8Mとの交信は偶然でしたが、今年はこちらも戦術を練って再会を期したいと思います。

長くなりましたので、昨年のCQWW-DX CWコンテストの分析は次回記したいと思います。

 

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(10)

2023年11月は先月以上にコンディションが良かった感があります。室内LWアンテナ×10Wでも、先月に引き続きDXpedition局との交信の機会がありました。また、月末のCQWW-DX CWコンテストに合わせて遠征した局との交信の機会もありました。

来年2024年はさらにコンディションが上昇することを期待して、2023年11月実績の覚え書きを残したいと思います。なお、CQWW-DX CWコンテストの結果は別途分析したいと思います。

2023年11月のアジア・オセアニア方面

4W8X(TIMOR-LESTE)

前回、東ティモール民主共和国に遠征したDXpedition局4W8Xと20mで交信できたことを書き残しました。EUのThe Lagunaria DX Groupの独国メンバを中心にした総勢20名の遠征隊がCWモードでもアクティブに運用してくれたおかげで、11月後半の本格運用を通して、室内LWアンテナ×10Wによるバンドスロットハントの新記録を樹立することができました。

HF High-Band(10m-20m)のCW 5スロットを全てハントすると共に、HF Low-Bandも30mと40mのバンドスロットで交信することができました。室内LWアンテナ×10WによるHF Low-BandのDX交信は初めてのことです。

8m長の室内LWアンテナの守備範囲は6m-80mバンドです。短縮率が高くなりラジアル(5m×5本)の電流帰還性能も不足する80mバンドに対しては、国内近距離の交信が精一杯の性能です。一方、6mバンドはXU(Cambodia)と10月に交信できた実績があり、期待がありました。しかし、休日を中心にLive StreamのQRV情報をチェックしましたが、CWによる6m QRVは確認できませんでした。残念ながらパスがオープンしなかったものと思います。FT8の運用はあったようです。

12月2日時点でまだ3名のOP(撤収係?)が残りFT8の運用を続けているようですが、総交信数は141,264回、ユニーク交信数は32,172局に達しているようです。このレコードはClub Log: Expeditionsでトップになっています。ご苦労様でした。帰路ご安全に。

H44WA(Solomon Islands)

米国Western Washington DX Clubの7名の方々から成るDXpedition局H44WAが、11月後半にソロモン諸島ガダルカナル島)からアクティブにQRVしてくれました。HF High-Band(10m-20m)のCW 5スロットは全てハントできました。

米国チームのH44WAは規律を重んじており、B4(重複コール)局に対して効率重視の重複スルー交信をすることなく、長打鍵を費やして「ログをチェックせよ」と注意しているのが印象的でした。

Club LogのLog Searchで"in the log"の確認はできましたが、QSLコンファームはQSLマネージャM0URXのOQRSページから行うように指示がありました。しかし、応答タイムエラーでインターネット接続ができません。ブラウザを替えてもOSを替えても同じエラーがでます。先方のOQRSサーバがリクエスト集中でダウンしているのかとGoogle先生にお伺いを立てましたが稼働中との返答。問題はこちら側のネットワークに内包されていることが切り分けられましたが、ルータのセキュリティ関係だと処置なしです。そこで、携帯の4G経由のネットワークに切り換えたところ接続できました。OQRS自動返信メールも迷惑メールに分類され、システムの挙動が現在のセキュリティ基準に合致しないのかもしれません。QSLマネージャM0OXOも同じOQRSシステムを使用しているらしく、同じ症状がでます。Club LogのOQRSは問題ありません。

XW4DX(Laos)

2023年10月までにインドシナ半島ベトナムカンボジアとは交信できていましたが、2023年11月にラオスと初めて交信できました。東ティモール等の島嶼部東南アジアよりインドシナ半島の国々との交信の方が難しいのは海面反射だけでは届かないためでしょうか・・・。

交信できたのは、仏国メンバ5名のチームによるDXpedition局XW4DXがQRVしてくれたおかげです。米国東海岸とのパスを重視した運用とのことでしたが、12mと15mの2つのスロットで交信できました。

2023年11月の北米・南米方面

南米とは夏のIARU HF Contestにて数局と交信し、PY(Brazil)1局のコンファームができていただけです。しかし、2023年11月のCQWW-DX CWコンテストではPYだけでも7局と交信でき、コンディションの著しい向上が感じられました。コンディションに加えて、CQWW-DX CWコンテスト参加に備えてDX局の事前運用のアクティビティが向上していた点も寄与していると思います。今回はコンテスト前にカリブ海周辺の北米・南米の局と交信した実績について覚え書きを残します。

下記地図に2023年10月下旬から11月に交信できたカリブ海周辺の局を記します。上から、N2IC(US, NM)、XE2X(Mexico)、V31XX(Belize)、TI/KL9A(Costa Rica)、FY5KE(French Guiana)となり、カリブ海(Zone 8)を取り囲む局と交信できました。

V31XX(Belize)とは夏の17mバンドの交信に続いて、秋は12mバンドと10mバンドでも交信できました。秋は気温の低下によって大気(O2)の密度が濃くなり、電離層の密度が高くなってHF High-Band側でのDX交信の機会が増える・・・という理屈通りの体験となりました。

V31XXのQSLはDirect Onlyです。シャックが売りに出されているという情報もあり、夏の交信後にSASEを送り、10月5日にQSLカードを受け取っていました。手書きカードの裏面には記入欄が3つあり、秋の分も記入できたことを考えると、SASEを急ぎ過ぎたかもしれません。

地図に戻ると、最東方のFY5KE(French Guiana)に至っては大圏地図上ではカリブ海を飛び越しています。カリブ海の局と交信するのも時間の問題と期待していたところ、その日は突然到来し、CQWW-DX CWコンテスト直前にZF2MJ(Cayman Islands)と交信できました。ケイマン諸島は3つのサンゴ礁の島から成りますが、Grid Square/EK99IGを参照すると、首都のあるグランドケイマン島からのQRVだったようです。

QRZ.comに、ZF2MJのHome callはN6MJと記載されていました。コンテストに合わせてケイマン諸島に遠征し、コンテストに向けた試験送波の際に交信できたのかもしれません。なお、コンテスト中は見つけることができませんでした。

移動先のプリフィックスにHome callを付けてQRVしていたTI/KL9A(Costa Rica)もコンテスト前に交信できました。ZF2MJと同様にコンテストに合わせてアラスカからコスタリカに移動していたものと推測しています。夏はアラスカ、冬は中米のスケールの大きな2拠点生活の可能性もあります。こちらもコンテスト中は見つけることができませんでした。

2023年11月のアフリカ方面

思い返せば、WAC獲得においてアフリカは最も交信の難しい大陸でした。2023年10月までに交信できていたアフリカの局は、春に交信した大西洋上のCT9ABV(Madeira Islands)の1局だけでした。ところが、2023年11月には反対側のインド洋上の2つの島国と交信することができ、一挙に3エンティティに増えました。室内LWアンテナ×10Wとしては、望外の喜びです。

コンテスト前の某日に聞こえてきたのはS79/G4IRNのCQです。聞いたことのないプリフィックスだったため、Hamlogに打ち込むと「Seychelles」と出てきました。このエンティティ名に見覚えはありますが、それでもどの大陸に属するかまでは把握できていませんでした。兎に角、新しいエンティティであり、CQ連呼中でパイルになっていないため、取り急ぎオンフレで呼んだところ直ぐに交信できました。順調過ぎたため、珍しいエンティティではなかったのかな・・・と交信の後にQRZ.comをゆっくり調べると、アフリカ大陸東側のインド洋上のセーシェル共和国のマエー島からのQRVであることが分かり、すんなりと交信できたことに驚きました。

「載っていないなあ・・・」とDXクラスターを眺めていたところ、交信から10分後にUpされ、それからパイルアップになって行きました。しかし、数分でコンディションが急変してパイルは消滅してしまいました。まさに一期一会の交信でした。室内LWアンテナ×10WではDXクラスターがほとんど役に立たないため、地道にチューニングノブを回してCQを探していたことが功を奏しました。

後で調べると、CQ誌2023年12月号のDX Newsにちゃんと遠征予定が載っていました。UKのメンバー4名からなるチームがCQWW-DX CWコンテストに参加するためにセーシェル共和国に遠征し、コンテスト前は各自のS79/homecallで運用していたようです。

G4IRN JohnさんのブログにCQWW-DX CWコンテスト遠征の報告が載っていました。

QRZ.comの地図でマークされているマエー島の中心部ではなく、北端マシャベの海沿いのコテージ(Les Rocher de Machabee - House by the sea)に宿泊して運用されていたようです。

遠征記の写真集もありました。

そこから、アンテナ群の写真を1枚引用させて頂きます。

コテージの庭に各バンドのアンテナが林立しています。交信できた15mバンドのVDA(Vertical Dipole Array)アンテナは木立の陰に入っている右端のアンテナではないかと推測しています。セーシェルのこのアンテナから出た打ち上げ角の低い15mの電波が遠く日本の室内LWアンテナに届き、逆に室内LWから出た打ち上げ角の高い15mの微弱電波セーシェルのVDAが拾い上げてくれたと想像すると、交信後の感激もひとしおです。

CQWW-DX CWコンテストではS79のコールサインを見つけることはできませんでしたが、同じアフリカ大陸東側のインド洋上の3B8M(Mauritius)と交信することができました。その覚え書きは次回、コンテストの分析と共に記したいと思います。One-day WACが達成できているかどうか精査が必要です。

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(9)

秋のDXpedition局のハント評価

2023年10月に、オセアニア大洋州)の島々に対して幾つかのExpedition(遠征)が敢行されました。10月中旬開催のOCEANIA-DX-CWコンテストに参戦したところ、バンドスコープ上にパイルの山を発見し、遅れ馳せながらDXpeditionが行われていることに気付いたのが実情です。オセアニアであれば、なんとか室内LWアンテナ×10Wの射程圏内です。性能評価のためにパイルに参戦しました。

コンテストが開催された10月中旬のClub LogのDXpedition Logsを下記に示します。赤丸でマークした(1)W8S(Swains I.)、(2)E6AM(Niue)、(3)T2C(Tuvalu)の3つのDXpeditionsが今回の対象です。他は聞こえません・・・。

緑丸でマークした4W6RUは7月に交信できた東ティモールのDXpedition局です。総交信数は約79k、ユニーク局数は約26k局であったことが分かります。総交信数はバンド×モードのスロット数に依存するため、DXpedition局のハントを狙うユニーク局数約26k局をベンチマークの基数として、今回対象とするDXpeditionsの10月中旬時点の進捗度を推定しました。結果、以下の進捗度推定値が得られました。

  1. W8S 74%
  2. E6AM 32%
  3. T2C    51%

室内LWアンテナ×10WでDXpedition局と交信するには、天啓を得てパイルの隙間を見つけるしかありません。ここまで進捗していれば、隙間もあるだろうと判断しました。

結果、10月に交信できたオセアニアのDX局を下記地図に白抜き背景赤字もしくは赤字で記します。緑字は10月以前に交信できていたDX局です。室内LWアンテナ×10Wでも交信できる程度に、秋のDXシーズンに同緯度上のDXpedition局とのパスが開けたことが分かります。

(1)W8S(Swains I.)

Swains I.は「Is.」ではなく「I.」と表記されることから分かるように太平洋上の孤島です。海底地形図を参照すると、沈下する海底火山の頂きに出来たサンゴ礁の孤島であることが良く分かります。アメリカ領サモアに属し、「アメリカ領サモア立海洋保護区」という名称のPOTA公園の一翼でもあるようです。

個人所有の島で、上陸するにはその方の許可が必要なようです。

当局が参戦したのは終盤です。下記の2つのバンドスロット(10m、15m)で交信できました。

Club LogのGeo Propagation Mapの機能を参照すると、交信数をベースにした伝播実績を調べることができます。(国別の無線局数で正規化していないため、本当の伝播状況とは異なると思います。)

まず、10mで交信した22時UTC(07時JST)の伝播状況を下記に示します。棒チャートは日本時間AMの伝播が良好と示しています。早起きして交信した22時UTC(07時JST)の地図上の伝播状況を見ると、日本と北米への伝播が比較的良かったようです(無線局数が多いだけかも!?)。NA指定でないかどうかを意識しながら交信しました。

次に、15mで交信した04時UTC(13時JST)の伝播状況を下記に示します。棒チャートでは同じ22時UTC(07時JST)が突出していますが、24時間何時でも交信のチャンスがあることを示していました。交信した04時UTC(13時JST)の地図上の伝播状況を見ると、赤色に染まった日本への伝播が突出して良かったようです。

W8Sハントの時にはバンドスロットを埋めようとの意識は無く、微弱信号ミスコピーの保険と考えて念のために2つのバンドで交信しただけです。しかし、積極的にバンドスロットを埋めることにチャレンジした方が、室内LWアンテナ×10Wの性能評価に有益であると考え方を変え、次のE6AMからは意識してスロット星取に取り組みました。

(2)E6AM(Niue)

Niueも孤島ですが世界最大のサンゴ島の1つであり(Wikipedia)、同時に最も小さい国の1つとのことです。エンティティ名の法則は良く分かりませんが、国ということで島を表す「I.」は付きません。

日本は比較的最近の2015年に国家承認をしています。その過程で日本人のニウエ首相補佐官の方が活躍されたとのこと。絶海の孤島と思いきや、日本人シェフが寿司を握るレストランもあり、TV番組で紹介されたようです。

E6AMが聴こえる機会はあまり多くありませんでした。バンドスロットを埋めるべく意識したのですが、W8Sより1つ多い下記の3つのバンドスロット(10m、12m、15m)で終わりました。HF High-Band(10m-20m)の中のHigh側3バンドです。

10mで交信した21時UTC(06時JST)の伝播状況を下記に示します。前記W8Sの場合とほぼ同じ早朝の時間帯です。地図上の伝播状況を見ると、こちらも同様に日本と北米への伝播が良い時間帯に交信できたようです。

次に、12mで交信した00時UTC(09時JST)の伝播状況を下記に示します。コンディションが少し落ちてくる時間ですが、10mと同様に日本と北米への伝播が良かったようです。

最後に、15mで交信した03時UTC(12時JST)の伝播状況を下記に示します。15mも前記W8Sの場合とほぼ同じ時間帯に交信できましたが、地図上の伝播状況で赤色に染まった日本への伝播が突出して良かった点も同じです。ログを見返すと、E6AMと交信した曜日はW8Sの三日後でした。

(3)T2C(Tuvalu)

TuvaluについてGoogle検索をしようとして誤ってMicrosoft Beingで検索したところ、コパイロット(AI)が以下の要約を作成してくれました。

ツバルは、太平洋に位置する小さな島国です。約420マイルにわたって散らばった9つのサンゴ礁と島から成り立っています。人口は約12,000人です。ツバルは英連邦の一員であり、君主が国家元首である議会制民主主義国家です。公用語はツバル語と英語です。

続いて、チャットで「ツバルでのアマチュア無線について教えて」とお願いしたところ、以下の回答が帰って来ました。

ツバルでは、アマチュア無線が行われています。ただし、詳細については情報が限られています。DXpedition Tuvalu T2Cによると、2023年10月10日から30日まで、FunafutiでのDXペディションが計画されています。また、RRDBによると、ツバルにはアマチュア無線リピーターがあります。ツバルは、英連邦の一員であり、議会制民主主義国家であるため、アマチュア無線に関する法律や規制がある可能性があります。詳細については、ツバルの通信省に問い合わせることをお勧めします。

日本語に違和感はないものの、過去の計画を未来形で語るなど時制のコントロールまでは出来ていないようです。

閑話休題、Tuvaluは4つの島と5つの環礁(環状に形成される珊瑚礁)から構成される国です。T2C DXpeditionは、首都が置かれているFunafuti環礁で行われたようです。上記右の地図を見ると、Funafuti環礁は1つの島ではなく、礁湖の周りを取り囲む約30の細長い小島から構成されています。Tuvaluは海抜が低いため、海面上昇によって国の存在が脅かされているとのこと。

T2Cが聴こえる機会は多くありました。バンドスロットを埋めるべく意識したところ、下記の4つのバンドスロット(10m、12m、15m、17m)で交信できました。HF High-Band(10m-20m)の中の20mを除く4バンドです。20mと30mでは、パイルは見えてもT2Cご本尊が聴こえないか、あるいはT2CのCQが聴こえてもこちらの電波が届かないかで、粘りましたが交信には至りませんでした。これで、室内LWアンテナ×10Wのオセアニア方面へのDX能力が決着しました。

交信できたバンド(10m、12m、15m、17m)の伝播状況を下記に示します。W8SおよびE6AMで見てきたように、T2Cの場合も朝は日本と北米への伝播が良い時間帯であり、正午から14時にかけては特に日本との伝播が良い時間帯のようです。

その他のオセアニアDX交信

YJ0TT(Vanuatu)

YJ0TTもDXpedition局ですが、Club LogのExpeditionsページは準備されていませんでした。

複数のバンドで聴こえてはきましたが、唯一12mバンドで午前に交信できました。同じく12mバンドで交信したE6AMおよびT2Cと同じ時間帯です。

H44RH(Solomon Is.)

ガダルカナル島北部に位置するソロモン諸島の首都HoniaraからのQRVです。日本の方が運用されているようですが、詳しい情報は見つかりませんでした。

夕方の15mバンドで偶然にパイルになる前のCQをキャッチしたため、呼んだところ交信できました。室内LWアンテナ×10Wでも、パイルになっていなければ、オセアニアの局とは交信できる確率が高いことを再確認しました。

4W8X(TIMOR-LESTE)

このブログを書いている11月に、春と夏に続いてTIMOR-LESTEへの秋のDXpeditionが始まりました。春と同じチーム(The Lagunaria DX Group)が遠征しているようです。春の4W1Aはコロナで延期した遠征の再開を期した事前調査遠征という位置付けだったようです。まだ11/13までは設営を続けながらのpart-time operationのようです。

このようなDXpeditionの初動段階では一般的にパイルが大きくなり、室内LWアンテナ×10Wでの交信は困難ですが、正午頃に10mバンドで交信できました。10mバンドでT2Cと交信した同じ時間帯です。午後からはパイルが一段と大きくなったことから、上手く機会を捉えパイルが小さい時に交信できたようです。

Club Logでコンファームは翌日になりました。DXpeditionチームで複数の機材を用いて運用している場合、Club Logのタイムスタンプの更新は必ずしも全ての交信を網羅していないようです。YJ0TTの場合もそうでしたが、FT8等のLogでタイムスタンプが更新されて行き、CWのLogは後日アップということもあるようです。設営途中のpart-time operationということも影響しているかもしれません。

翌日、他のDXpedition局で交信不可だった20mに挑戦する機会が到来しました。午前中、信号は弱いのですが4W8XがCQを出していました。誰も呼んでいないことが確認できたため挑戦しました。最初のコールの応答は「?」、次は「JK1?」でプリフィックスまでコピーしてもらえました。ここで、他の強い局がコールしたためリセットです。また、「?」、「JK1?」、再度「JK1?」と続いて、最後に2連続でコールしてコピーしてもらえました。コールバックは空耳コピー(QSBの脳内置換?)気味になってしまったため確信は持てませんでしたが、午後にはClub Logでコンファームできました。室内LWアンテナ×10Wでも、20mバンドの微弱信号がオセアニアDX局に届いていることが確認できました。

日乗

巷では「トランジスタ技術の圧縮」のTV放映が話題になっていますが、個人的にはNHK総合で放映が始まったアニメ「地球外少年少女(The Orbital Children)」に注目しました。

懐かしい既視感があったため調べてみると予感は的中し、「電脳コイル」の磯光雄監督による2作目のオリジナルアニメ作品でした。磯光雄監督自身が原作と脚本を手掛けている他、絵コンテ、原画チェック、CG、撮影(コンポジット)など、ほとんど全ての工程を手掛けているとのこと(地球外少年少女 - Wikipedia)。既視感を感じた訳です。今後の放映が楽しみです。

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(8)

厳しい残暑が続いていますが、朝晩に秋の気配を多少は感じられるようになってきました。この夏の室内LWアンテナx10Wの成果を刈り取るべく、成果物の収集に取り組んでいます。

WAC Award

申請

WAC(Worked All Continents)アワードはIARUの発行ですが、申請先はARRLになるようです。JARL会員の場合はJARLが代行申請してくれます。e-QSLは認められていなとのことですが、ARRLが運営するLoTWは使用可能です。今回は全てLoTWのデータをQSL(交信証明)として使用しました。

JARL様式のアワード申請書を使用」との指示がありますが、電子申請ページから申請する場合は、ページ入力自体が申請書に該当するため、QSLカードリストのファイルを準備するだけで済みます。

QSLカードリストの様式は特には指定されていないようでしたので、JARL発行アワード用のExcelリストを使用しました。1列目の「都道府県市郡番号」は空欄とし、備考に「大陸名」を記入しました。欄外に、各大陸のLoTW QSO Detailの画像をQSLとして貼り付けました。

このExcelファイルを電子申請ページからアップロードして完了です。後は申請手数料を振り込んで吉報を待ちます。

着荷

2023/07/10に申請したところ、約2か月後の2023/09/09にJARLから届きました。オンデマンドの処理ではなく、月次バッチ処理になるようです。リードタイムはこれより早くなることも遅くなることもあると思います。

特記は3つまで申請可能ですが、選択可能な特記は「CW」だけでした。「室内LWアンテナx10W」が心の中の特記です。

PDF全盛の時代ですが、物理的実体のある厚紙のアワードはフレームに入れればお蔵入りすることもありません。サイズは約 21.6 x 28.0 cmでした。四切(25.4×30.5 cm)のフレームなら入りそうですが、写真用の四切フレームは余白が大きくなってしまいます。A4(21.0 x 29.7 cm)のフレームでは縦寸法が少し不足しますが、賞状用のA4フレームの品揃えの中から上手く選定すればギリギリ入りそうです。

Indonesia Award 2023

SES

8月12日に聴き慣れないコールサインが聴こえてきました。8から始まるため、記念局のコールサインと思い、該当する記念イベントを調べようと聴き耳を立てていたところ、「8J」でも「8N」でもなく「8H」でした。新しいプリフィックスの発給か?と思い、調べたところ、日本の記念局ではなく、インドネシア独立78周年を記念したIndonesia Award 2023の特別イベント局(SES:Special Event Station)であることが分かりました。8月17日が独立記念日のため、8月12日から20日までQRVしていました。

しかし、Rulesがインドネシア語で記載されているためAward参加規程が良く分かりません。Languageメニューはあるのですが、英語や日本語を選択してApplyしてもWebページが反応しません。参加登録や参加番号の交換は特にはないようでしたので、普通に交信すれば良いと判断しました。

Chaser

SES数局と交信した後に「Search Chaser」ページから自局のコールサインを入力すると、参加登録をしていないのに氏名が出て来て少し驚きました。QRZ.comと連携しているのかもしれません。

背景緑の数字はSES各局のログに記録されている各Band x Mode毎のQSO実績を表し、数字はQSO回数ではなく獲得点数(SES局数 x Band別配分点数)です。SES x Band x Modeの初回のQSOのみ有効です。この規則が後述の問題を引き起こすことになります。

背景青の数字は、こちらのログを「Chaser Logger」ページからUploadして、SESのログと照合が取れた結果を表しています。ログはADIF形式でUploadしますが、タグ(列名)の構成は下記INFOに示されている通り、LoTWとは異なります。

INFO: 
(前略)
3. ADIF Minimal berisi informasi: <CALL>, <STATION_CALLSIGN>, <QSO_DATE>, <TIME_ON>, <MODE>, <FREQ>, <BAND>,
<RST_SENT>, <RST_RCVD>, dan untuk mode satelit: <PROP_MODE>, <SAT_NAME>, jika tidak lengkap maka akan terjadi Error.
(後略)

インドネシア語のINFOなので、Uploadに2回試行錯誤しました。SESのコールサインのタグ<CALL>に加えて、交信時に使用した自局のコールサインのタグ<STATION_CALLSIGN>が必要です。固定局/移動局のコールサイン等の複数のコールサインに対応するためと思われます。

さて、10m CWの背景青の数字が0点であることが分かります。これが自力では救済できないUnconfirmed問題です。

Unconfirmed

「Search Chaser」ページを下方にスクロールすると、ログの詳細を見ることができます。

上側の「Logged QSO」は、SESのログに対してUploadした自局ログの照合結果を示します。2行目の8H78I x 10mがUnconfirmedと判定されています。自局のログには存在していないため、この判定結果は当然なのです。

こちらのログには記録されているのにSESのログには記録されていないケースは、室内LWアンテナx10Wでは起こり得る問題です。しかし、これは逆のケースです。SESのログには記録されているのに、自局のログには記録されていません。Hamlogから手書きログまで追跡しましたが発見できません。困ったことに「コールバックが取れなかったあのケースかな・・・」というような記憶もないのです。可能性の1つとして考えられるのは、モールスコードが類似した他局のコールサインのミスコピーです。初日のこの日に8H78I x 20mで交信しているため、OPが同じ人であれば当局のコールサインが耳に残っていた可能性はあり得ます。

下側の「Unconfirmed Chaser Log QSO」は、こちらのログには記録されているのにSESのログには「1st QSO」として記録されていないケースです。最終日に近いこの日はコンディションが良く、余裕を持ってコールバックを確認できたため、確実にSESのログに記録されていると思います。しかしながら、8H78I x 10mは初日に1st QSOしたと見なされているため、それが連鎖してUnconfirmedとされてしまいました。Awardに対してUnconfirmedでも、QSO自体はConfirmedにして欲しいところです。LoTWのように相互ログ照合にすれば、このようなUnconfirmed連鎖問題は起きないと思うのですが・・・。

eQLS

照合が取れたQSOに対してはQSLボタンが表示され、eQSLがダウンロードできます。ボタンがWebページに表示される状態になっても、しばらくの間は動作しなかったのですが、9月10日にダウンロードできるようになっていました。

この美しいeQSLのデザインはSES各局共通のようです。WRTC 2022開催記念局やイタリア赤テント記念局II1ITRのeQSLと同じように、二次元バーコードによる交信証明機能を備えています。しかしながら、9月10日の時点ではまだ動作しませんでした。

Map

QRZ.comのMapから、交信できたSES各局の位置をプロットしてみました。

コンテストで比較的容易に交信できるフィリピンやブルネイ、そして今年DXペディションがあった東ティモールに囲まれるエリアになります。室内LWアンテナx10Wでは聞こえても届かないということが何回もありました。

Statistics

SES各局のQSO集計分析結果が公表されていました。興味深い分析結果を引用します。

左側がモード別のQSO数、右側がバンド別のQSO数です。FT8の割合が50%を軽く超えています。次にSSBが来て、両者で90%近いのではないでしょうか。アワードを狙うにはFT8が必須のようです。
バンド別では40mの割合が高いようですが、当局の環境では都市ノイズが多くNGです。10mの配点が高いのですが、QSO実績から見ると難しいバンドではないようです。もっとも、DX局だけで統計を集計し直すと傾向が変わってくるかもしれません。

RSGB IOTA Contest

7/29-30開催のRSGB(RADIO SOCIETY OF GREAT BRITAIN )IOTA Contestに参加しました。

その結果がWebにUpされました。(https://www.rsgbcc.org/cgi-bin/hfresults.pl?Contest=IOTA%20Contest&year=2023

室内LWアンテナx10Wの順位は、1,878局中1,539位でした。上を見るとキリがないのですが、下を見ても約300局いることに驚きました。

さらに驚いたのは、コンテストで時々交信する米国西海岸のkWコンテスト局のNT6〇が1,548位だったことです。Multsは当局と同じ11、QSOsは当局より1つ少ない13です。当局もこのコンテストでは交信していません。コンディションが悪くて、北米からのパスが開けていなかったのでしょうか。あるいは、珍IOTA局の呼び回りで参加していたのかもしれません。

海外のコンテストは基本的にログ全数照合のようです。交信数15のログを提出したのですが、1つ不成立で14交信が認められました。この照合結果が分かることは重要です。このコンテストで初めてニュージーランドの局と交信できたのですが、頑張って2つのバンドで交信しました。不成立は1つだけなので、少なくとも1つのバンドの交信は成立したことを意味します。ニュージーランド局のQRZ.comを見るとLoTWにログをUpする旨が書いてあるため、首を長くしてLoTWの照合を待っています。

SASE

3通のSASEをリクエストしていた中で、VK9DX(Norfolk Island)からのQSLカードが一番早く到着しました。

4月のQSOですが、机の引き出しの中で行方不明になったGSの発掘とSASEキットの印刷に手間取りました。重い腰を上げて7月25日に日本からSASE発送、8月30日にオーストラリアからSASE返送、9月11日に日本に到着のリードタイムでした。おそらく、Norfolk Islandから定期的にSydneyに戻って、届いたSASEを一括で処理しているものと思います。返信封筒には料金別払いのスタンプが押され、切手は貼られていませんでした。

DX局の紙QSLカードは両面印刷のものが多いように思います。表面に写真とコールサインを配置し、裏面にその写真の説明書きとQSLデータのシールを貼付するというスタイルです。

この裏面の説明書きを読むことが、紙QSLカードを入手する楽しみの1つです。Norfolk Islandの別宅シャック?の来歴が説明されていました。また、表面の写真については「セブンスデー・アドベンチスト教会の感謝祭における近隣の農作物の展示」との説明書きがありました。QRZ.comの写真を見た時には市場の写真かと思っていたのですが、言われてみれば売り子の姿が見えません。QSLカードを入手することにより思い違いを正すことが出来ました。

Norfolk Islandのセブンスデー・アドベンチスト教会は、切手の図案にもなっているようです。

Norfolk Islandの感謝祭についてのブログも見つかりました。

4月のQSO以来、VK9DXの信号を聞いたのは僅かに1回だけです。室内LWアンテナx10Wでは奇跡のQSOだったのかもしれません。

室内ロングワイヤーアンテナはSWR1.0の夢を見るか(7)

IC-705のUSB接続の回り込み防止

USB接続の切断問題

PCとIC-705のUSB接続について、24MHz帯以上の周波数バンド(24MHz帯、28MHz帯、50MHz帯)で送信をするとUSB接続が切断し、回復させるためににはPCの再起動が必要になる問題がありました。USB接続が切断しても、FT8モードと異なりCWモードではIC-705の動作に影響はありませ。しかし、気付かずに放置するとコンテストロガーがIC-705の周波数を拾えなくなるため、バンド別の重複チェックを間違える等の問題が発生していました。今回、一応の解決を見たため、その対策手段を報告します。

なお、IC-705に接続しているノートPCは、処理速度を最も律速すると思われるメモリ帯域へのコスト配分を優先して8MB+8MBのデュアルチャネル構成にし、その代わりにCPUをAMD Ryzenにしてコストを低減しました。そのため、USB通信機能を提供するチップセットIntel PCとは異なります。今回の問題に対する影響は不明ですが、USB接続におけるコモンモードノイズの問題は特定のチップセットに限定されることのない一般的な問題と思います。

USBケーブルのコモンモードノイズ対策

高い周波数バンドでUSB接続がフリーズするのは、高い周波数でのコモンモードノイズの低減性能が不足しているためと思われます。そこで、USBケーブルを巻くフェライト・コアの大型化を試みました。

対策前はUSB接続を最短で行うことを狙いに、0.15mの2重シールドUSBケーブルを採用しました。ケーブルが短いため、コモンモードノイズ対策としてクランプコア(ZCAT1518-0730)を3個だけ嵌めていました。

ZCAT1518-0730のインピーダンスの周波数特性を、メーカのホームページから引用して下記に示します。一番下の赤色の曲線がZCAT1518-0730の特性です。

7~50MHzの周波数帯域でインピーダンスは28~61Ω程度です。コアを3個嵌めているため、合計のインピーダンスは表示値の約3倍になります。インピーダンスには、正弦波電流の微分係数としての周波数が繰り込まれます。そのためか、周波数が高いほどインピーダンスは大きくなっています。高い周波数帯域でコモンモードノイズが問題になるのは、インピーダンスが小さくなるからではなく、USBチップセットの切断感度がその帯域で高いためと推測しています。

コモンモードノイズ対策を強化するために、手持ちのUSBケーブル(1m)を手持ちのフェライトトロイダルコア(FT240-43)に13回巻きました。USBケーブルがもっと長ければ巻き数を増やせます。反対にトロイダルコアはもっと小さくても、コネクタ付きで13回巻けると思います。巻き方は定番?の対角巻き(W1JR巻き)とし、入出力線間の容量結合を防止しました。コアの両側に線が出た方がPCとの接続取り回しも容易になります。

https://toroids.info/FT240-43.phpで計算したFT240-43の13回巻きのインピーダンスを下記に示します。7~50MHzの周波数帯域でインピーダンスは約8K~57KΩとなり、クランプコア(ZCAT1518-0730)3個の場合の95~311倍に増えています。特に問題になっている高い周波数帯域でのインピーダンス増加が著しいと言えます。

対策後のUSB接続の様子を下記に示します。スモールファクタが特徴のIC-705が巨大なイアリングを付ける格好になってしまいました。

対策後にIARU HF ContestおよびRSGB IOTA Contestで、室内LW(8m)アンテナが整合可能なHFバンド(3.5MHz~28MHz)を運用しましたが、28MHzバンドを含めて一度もUSB接続は遮断しませんでした。IARU HF ContestではQRV可能な全てのHFバンドで日本のHQ(Headquarters)局と交信することができました(下記LoTW QSL参照)。

80Mではラジアル性能の不足で信号が特に弱かったと思いますが、一回で取ってもらえました。見通しの良い同じ神奈川県内とは言え、さすがHQ局と思った次第です。

また、フィールドデーコンテストで50MHzバンドを運用し29局と交信しましたが、こちらも一度もUSB接続は遮断しませんでした。オールバンドで参加したため、重複チェックが必須でしたが問題は生じませんでした。開局当時に使用していた5エレ八木に比べると、室内LWアンテナはかなり性能が劣る印象でしたが、関東全県を含む14マルチを50MHzバンドで達成することができました。Eスポの恩恵にはあずかれなかったと思いますが、(おそらく)スキャッターによって中間スキップエリアの三重県および奈良県と室内LWアンテナでも交信することができました。

以上のコンテスト参加による検証により、フェライトトロイダルコアの最適化(寸法縮小)に課題が残るものの、USB接続遮断の問題に対しては一応の解決を見たものと考えています。コモンモード電流を実測して定量的に議論したいところですが、USB延長ケーブルの手持ちがないため、またの機会にしたいと思います。

WiFi接続の課題

元々は宅内遠隔運用のために、PCとIC-705はWiFiで接続する計画でした。WiFi接続が遮断するため、USB有線接続に一時的に避難していただけです。そのUSB有線接続の問題がようやく解決し、室内LWアンテナを活かしたオールバンド(3.5MHz~50MHz)の宅内移動運用が恙なくできるようになりました。

次は初心に戻って宅内遠隔運用環境を整えるために、WiFi接続の問題を解決する必要があります。USB有線接続遮断とWiFi接続遮断の原因は異なると推測しています。USB有線接続遮断はPC側(のチップセットのノイズ耐性)の問題と思われるのに対して、WiFi接続遮断はIC-705側(のWiFiマイコン?のノイズ耐性)の問題と推測しています。理由は、FT8運用テスト時にWiFi接続遮断によってIC-705が送信状態でフリーズし、物理ボタンを含めた一切の操作を受け付けなくなったからです。この時は、電源ケーブルを抜き、さらに電池パックを外して送信を止める必要がありました。なお、タイムアウトタイマー(初期設定5分、最短3分)によって送信は自動的に止まるはずですが、3~5分も送信状態放置では他局に迷惑が掛かります。

マイコンのノイズ耐性が原因と推測するに至った珍しい?室内電波障害が一度発生したため、次に紹介します。

室内電波障害

思いも寄らず、パンを焼くトースターに電波障害が発生しました。室内LWアンテナを設営できる部屋は窓が大きな居間になるため、下写真に示すようにダイニングテーブルに移動して運用しています。

写真左側にフレームインしている黒い物体がトースターです。その近くをLWアンテナの引き込み部分が通過しています。トースターの上部隅にLWが載っている日もあります。トースターの筐体は板金でできているため、室内LWアンテナではなく室内LW+Toasterアンテナになっているかもしれません。AH-705は性能が良いためか、LW+Toaster込々で整合してしまいます。LWがToasterと接している日の方が、苦手な24MHz帯の整合が速いような気がします。

ある日、CW Keyingをすると、トースターのタイマーダイヤルの周囲に円周状に配置されているLED群が突然全灯点滅を開始しました。明らかに、内臓マイコンがエラーを訴えているように見えました。トースターには主電源スイッチがないため、コンセントを抜き差しすると、マイコンがリセットされたためか、LED点滅は止まりました。トーストも焼けます。

トースターのACケーブルは2芯のためアースには落ちていません。モータを使う機器ではないためフレームグランドも取っていません。板金筐体に飛び込んだ電波がマイコンのグランドにノイズとして入り込み、暴走したのではないかと推測しています。発生したのは一度限りで再現性はありません。

ただ、IC-705のWiFiマイコン?にもノイズが飛び込むかもしれないと想起させる経験でした。ちなみに、IC-705のアースを建屋躯体に落としてもWiFi切断防止の効果はありませんでした。IC-705のWiFi機能を直接使用するのではなく、下図のようにUSB有線接続のローカルPCからWiFi接続してみると問題の切り分けが進むかもしれません。今後の宿題です。

ローカルPCからWiFi接続しても切断するようなら、WiFiルータ等に電波障害が発生している可能性があります。ただし、今のところ他の機器のWiFi接続に障害は発生していないため、その可能性は低いと考えています。

WAJAの進捗

前回報告時(2023-06-25)には、workedできていない都道府県が1つ(香川県)、加えてconfirmedできていない都道府県が3つ(秋田県三重県京都府)ありました。

その後、オールJA5コンテストに参加したところ、電子QSLにより香川県の3市1郡のworked & confirmedが一気に達成できました。さらに、フィールドデイコンテストでも新たに香川県の1市をworked & confirmedできました。また、秋田県三重県の電子QSLによるconfirmedも進みました。

残っているのは京都府のconfirmだけとなりました。京都府に対しては3局との交信実績があり、その中の1局は記念局です。記念局の紙QSLカードJARL転送は優先的に処理されるとの希望的観測がありますが、それでも1年以内に届けば幸運というところのようです。CQ誌9月号の特集は「電子QSL最新事情」とのことですので、電子QSLの普及が進むことを期待します。

追伸:

来年の京都コンテストとJARL転送のどちらが速いかと思っていたところ、お盆帰省中と思われる京都の局と8月に新たに交信でき、電子QSLによってconfirmedできました(ありがとうございます)。中間スキップのエリアの中で、福井県京都府のスキップが最も厳しく、都市ノイズが多い7MHz帯ではぎりぎりの信号レベルでしたが、RFゲインを絞りノイズから信号を浮かび上がらせることによって何とか交信できました。

これで室内LWアンテナ架設から約半年強で、海外WAC (Worked All Continents)アワードに続いて、国内WAJA(Worked All Japan prefectures Award)が完成しました。

DXの進捗

前回報告時(2023-07-17)のDX Entity数は、LoTW Syncを取ったClub Logから見てworked 32、confirmed 26でした。その後、worked 46、confirmed 34まで増えました。しかし、workedの増加率144%に対して、confirmedの増加率は131%に留まり、両者の差が拡大する傾向があります。

パワー不足以外の主な原因は、室内LWアンテナの耳の悪さによるミスコピースルー(空耳)と、電子QSL未対応の2つです。前者に対しては(1)AFフィルタによるノイズ低減を、後者に対しては(2)紙QSLカードのリクエストを推進することにしました。

AFフィルタによるノイズ低減

室内LWアンテナ☓10Wでは、こちらからDX局への信号強度が弱いため、ミスコピー管理が重要になります。室内LWアンテナの耳の悪さによるミスコピースルー(空耳)を改善するためには、入力段の低雑音プリアンプの導入、および出力段のAFフィルタの導入が、外付けで取り得る手段になるかと思います。まずは安価な方のAFフィルタを試してみることにしました。

IC-705(のHF帯は)はダイレクト・サンプリング SDRのため、IFフィルタはFPGAによるディジタル信号処理で実現されているようです。IFフィルタの帯域は3段階から選択でき、CWモード用の狭帯域はディフォルトで250Hzに設定されています。さらに、TWIN PBT(Pass Band Tunning)機能によって50Hzまで狭めることができます。

目的信号の周波数が既知で固定なら、IFフィルタの帯域を狭くした方がS/Nが向上するはずです。実際、250HzまではS/Nの向上を実感できます。しかし、TWIN PBTによってさらに狭くすると、私の耳には却って聴き難い音になってしまいます(個人の感想です)。

TWIN PBTは名前の如く、Low Pass FilterとHigh Pass Filterを2段階に組み合わせて狭帯域のBand Pass Filterを実現しているものと思います。FPGAに実装されていれば、フィルタを増やしたことによる信号遅延は最小のはずです。何かディジタル信号処理による副作用が出ているのでしょうか・・・。搬送波自体はモノトーンですが、CW信号の立ち上がりと立下りの信号形状を綺麗に構成するためには、250Hz以上の周波数成分が必要ということでしょうか・・・。

以上をAF段の外付けフィルタで確認したいと思い、ボードを手配中です。デモを聞く限り、S/Nの向上は素晴らしいものがありました。

OQRSによる紙QSLカードのリクエス

ARRLお膝元の北米ではLoTWの普及率が高いようですが、全世界で見ると国内と状況は似ており、電子QSL未対応のDX局も多数あります。そこで、紙QSLカードのリクエストも推進することにしました。

Direct(SASE)を出す前に、OQRS(Online QSL Requests System)に対応しているDX局にはOQRSリクエストを出します。Club LogのOQRS以外に、QSLマネージャーが独自のOQRSを主宰している場合もあります。まず、下記3枚がOQRSで届きました。

OL750HOL

前回紹介したチェコ共和国の「ホリショフ市創立750周年記念局」のQSLカードです。LoTWでconfirmedできていましたが、カードの所有欲が湧いてきたため、Club LogのOQRSをクリックしてしまいました。右のQSL(交信証明)面にはシールが貼られ、割り印とサインがありました。

GR2HQ

IARU HF Contestで交信したEnglandのHQ局のQSLカードです。HQ局のQSLカードは1 Wayのビューロー経由で送られる例が多いようですが、こちらのHQ局のQRZ.comにはQSLマネージャにリクエストするように指示がありました。室内LWアンテナでは、いつでもEnglandと交信できる訳ではないため、QSLマネージャ独自のOQRSにリクエストしました。右のQSL(交信証明)面にはシールが貼られています。証明印は割り印になっていませんが、シール自体が証明書(カードは台紙)なので問題ないと思います。

CT9ABV

こちらもLoTWでconfirmedできていましたが、1st AfricaにしてWACアワード獲得における唯一のAfricaとの交信であるため、記念に紙QSLカードをClub LogのOQRSでリクエストしました。リードタイムは約2か月でした。OPはドイツの方々なので、マデリア諸島から本国に帰国されてからのQSL発送処理になっていると思います。切手にはDEUTSHLANDの文字が見え、消印はBriefzentrum(ドイツポストの地区センター)でした。

右のQSL(交信証明)面の下部に写真の説明書きがありました。ボトルは当初予想したマデイラ・ワインではなくPonchaとのことでした。

ポンチャはマデイラ島の伝統的なアルコール飲料で、アグアルデンテ・デ・カナ(サトウキビの絞り汁から作られた蒸留酒)、ハチミツ、砂糖、オレンジジュースまたはレモンジュースで作られています。一部の品種には他のフルーツジュースが含まれています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Poncha、自動翻訳)
マデイラではポンチャが風邪を治すと言われており、風邪のような症状がある場合はポンチャを飲むことが推奨されています。
(同上)

・・・ということで、紙QSLカードを手にすることで、行きつけのPoncha barでマスクを付けた両人がPonchaの前で記念撮影をして、その写真をMadeira Is.のQSLカードのデザインとする深意を理解することができました。

ダイレクト(SASE)による紙QSLカードのリクエス

OQRSは便利ですが、全ての局が対応している訳ではありません。昔ながらのSASEによるダイレクト・リクエストも必要になります。OQRSで送料を払った上でSASEが必要という合わせ技もあります。

ベストな組み合わせとされている無地の角型8号封筒、洋型2号封筒、QSLカード、+α(GS等)を材料にしてSASE kitを印刷し組み立てます。近所で地味な無地の洋型2号封筒を見つけるのが難しく、5色組み合わせの派手な封筒しかありませんでした。目立たない方が良いのですが、致し方ありません。

送料が不明なため、近所の郵便局に持ち込み、計量してもらいました。送料OQRS別払いで+αがないと130.0gで90円でした。この重さがボーダーラインで、超えると110円になりました。もちろん、SASE kitに使用する封筒の材質で変わってきます。

最後のスマートレターはJARL転送用の封筒です。180円で国内はがき大のQSLカードの束が2式、2cmの厚さまで入ります。合計で4cmになるため、電子QSLで照合できなかったQSLカードを一気に送付できます。(溜め込んで申し訳ありません。)

II1ITR記念イベントの調査(続報)

イタリアのTEAM - LA TENDA ROSSA(赤テントチーム)記念局の対象イベントの調査続報です。95年前の北極探検飛行船「イタリア」号墜落事故についての映画「SOS北極 レッド・テント」を視聴し、radio amateursの重要性を証明した出来事について調査しました。

ニコライ・シュミット

radio amateursの重要性を証明した「ロシアVokhma村のアマチュア無線家ニコライ・シュミット」は登場しました。先入観で壮年~初老のアマチュア無線家を想像していたのですが、映画に登場するニコライ・シュミットは青年でした。

Rigは真空管式の受信機です。無線家というよりSWL(Short Wave Listener)として登場しています。アンテナは子供たちが揚げるタコに取り付けたLWです。子供たちに指示を出してタコの場所を移動させて感度最大点を探しています。そして遂に墜落した「イタリア」号のSOSと墜落座標を受信します。

その後、無線で救助隊基地に知らせるのではなく、電報局まで馬を飛ばして(おそらく)有線で電報を打っています。やっぱり送信機は無いのかな・・・。

最後は、SOS受信者の自負から出港する救助船に飛び乗ろうとして間に合わず、跳ね橋の上で泣き崩れるところで登場場面は終了しています。

どこまでが史実でどこからが映画の演出か分かりませんが、確かに救助に重要な役割を果たしたradio amateurs(SWL?)の「ロシアVokhma村のアマチュア無線家ニコライ・シュミット」は登場しました。

アニリン

もう一つの疑問も氷解しました。記念局のチーム名にも映画の題名にもなった象徴的な「赤テント」の由来です。救助隊への目印となるように、アニリン(合成染料)でテントを赤く染めたことが「赤テント」の由来ですが、そのアニリンはどこから来たのかが疑問でした。

飛行船の高度を計測するために、アニリンを入れたボーリングボール大の球が使用されていました。球を飛行船から自由落下させ、地表に激突して赤い染料が飛び散るまでの時間を計測して高度を算出する場面が映画で描かれていました。目視で地表激突を認識するためにも、風の誤差を抑制するためにも、大量のアニリンが注入された球を飛行船に多数搭載していたものと思われます。これで、テントを染めるのに十分な量のアニリンを確保可能です。

以上、II1ITR局との599BK交信後の余韻を十分に楽しむことができました。