局部発振器(LO)のLTspiceシミュレーション検討つづき
LTspice回路図の変更
変更した回路図を下記に示します。
前回報告内容から下記の変更を行いました。
トロイダルコア1次側等価回路の素子値は、下記計算ページ(toroids.info)を利用して、FT37-43コア、7MHz、8 turns に対して計算した値を設定しました。
電源ON(シミュレータ上の)
シミュレーションを10ms走らせた結果を下記に示します。電圧の測定点は回路図上の4点です。
C21によってAC成分のみ通過させ、約±4Vの局部発振で混合器のトロイアダルコア1次側を駆動していることが分かります。エミッターフォロワQ5により、負荷が変わっても発振振幅に変化がないことが分かります。発振顕在化の後の収束が早くなったように見えますが、発振波形が対称になったことによる幻覚でしょうか。
定常状態
定常状態に到達した10ms直前の発振波形を拡大した図を下記に示します。
インダクタンスが負荷に追加されましたが、波形の歪に特に変化はないようです。
発振周波数
LTspiceデータの計算サンプリング間隔を調べた結果を下記に示します。
負の振幅で計算間隔が長く、正の振幅の肩部と頭頂部で計算間隔が短くなっている点に大きな変化はないようです。ただし、最大8倍以上あった計算間隔の変化は、7倍以下に少しだけ圧縮されています。
安定している低電圧側振幅の下降エッジで-2Vしきい値を通過する時刻をサンプリングしました。9~10msの間に振動は7,045回生じていました。正確な時刻間隔で割ると、周波数は7,044603109960562MHzになりました。C46トリマーコンデンサを無効にした結果、局部発振周波数が少し上昇しましたが、まだ水晶本来の7,074MHzより小さくなっています。水晶の等価回路の設定によるLTspiceモデルに課題があるかもしれません。